「売却査定額」の仕組みについて
- 2022.05.08
- 営業マンたかはしの不動産解説
- たかはしの不動産解説, やさしい不動産解説(売却), 世田谷エリア
「売却査定額」についての仕組みについて、ご説明いたします。
動画でも解説しております↓↓
【最初に】不動産はこのように査定する!
下記は一例です。
1.近隣の成約事例、販売事例に基づくデータ
よく「取引事例比較法」とも言いますが、近隣の成約事例、販売事例は大きな査定根拠の一つです。マンションの場合、例えば全く同じ広さのお部屋が直近成約していたりするとその事例と比較して査定することもあります。
2.お部屋内の状況について
お部屋の中に関しての情報です。築年、広さ、間取り、室内状態や痛み、直近のリフォーム時期・箇所、陽当たり、風通し、眺望、などなど。
3.立地・周辺環境について
駅までの距離や道のり、使える駅と路線の数、近くに買い物ができるスーパーはあるか、小中学校までの距離や通学路、騒音・振動の問題、周辺での事故事件についての情報、近隣トラブル、などなど。
4.建築条件について
建替えができる土地か、建替えるとしたらどの程度の規模の建築が可能か、土地は所有権か借地権か、隣地との境界の杭について、擁壁やがけ崩れの心配、ハザードマップに示されているか(過去浸水は無かったか)、などなど。
5.管理状態について(マンション)
自主管理か、管理会社に委託しているか、管理人の勤務日、セキュリティ、大規模修繕の実施時期、エントランスやゴミ捨て場の清掃状況、管理費等の月額費用、マンション全体の積立金総額、管理組合で何か話題に上がっていることがあるか、などなど。
他にも物件により色々とありますが一例としてあげさせていただきました。
要注意!不動産査定額は一般的に「必ず売れる金額」を指すものではない
例えばマイカーを売ろうと中古車買取業者に持ち込むと〇〇〇万円と査定額(買取金額)を教えてくれますが、不動産の査定額はこれとは異なります。購入者がまだ決まっていないので、「〇〇〇〇万円であれば売却できるであろう」という予測に基づき査定額を提示します。
そのため、販売開始後の状況次第ではその金額通りで売却ができない可能性があることもありますのでご注意を。
ただし不動産の買取査定は「必ず売れる金額」として査定が可能です!
不動産も中古車等と同様に「買取」という制度が存在します。買取の場合は買い手が不動産業者と決まっておりますので、”必ず売れる金額”として買取査定額を算出することが可能です。
・買取査定額
・通常の査定額
これら二つは査定金額が異なることを抑えておきましょう。
◆買取査定額は必ず売れる金額であるものの、通常の査定額より若干安くなります。
◆通常の査定額は、販売活動を行い買主を広く募集することで買取査定額よりも高い金額での売却が見込めます。
不動産売却を「洋服を売る」ことに例えると
あなたが持っていて不要になった「洋服」を売ろうとします。
今日中に売ってスッキリしたいな、という場合にはブック〇フ等に持ち込んで買い取って貰えればその場で現金が貰えます。
『この服はまだ綺麗だし高く売れそう。急いでないし少しでも高く売りたいな』という考えがあればメ〇カリに出品して購入者が現れるまで待ってみて、多少の手間はあるでしょうがおそらくは買取より高く売れる確率大でしょう。
不動産の査定もコレと同じです。すぐに手間なく売却したい場合は「買取査定」、金額重視で売却したい場合は「通常の不動産査定」を依頼すると良いでしょう。ちなみに言っていただければ2つの査定額どちらも出して貰える不動産会社も多いですよ。
売却査定方法「簡易査定」「現地査定」の違い
不動産の査定方法には、簡易査定と現地査定の2つがあります。それぞれ違いについてご説明します。
簡易査定(机上査定)とは
現地を見ないまま査定を行います。築年数、広さ、間取り、立地、直近で成約した事例等のデータに基づき査定を行います。ある程度の金額は算出可能ですが、現地査定と比較すると若干精度は落ちるので簡易査定と現地査定で金額が異なる場合がございます。
私が考える簡易査定(机上査定)のメリット
現地査定に比べ短時間で査定結果が分かり、そこまで時間を割く必要もない。簡易査定の一番のメリットです。
・購入を検討している物件があり、マイホームを売却してその資金を充当したらどうなるか先にシミュレーションしておきたい。
・すぐではないが、今年中にマイホームを売却して引っ越すことを検討しており予め金額を知っておきたい。
・最初にいくつか(査定を)比較検討してみて、現地査定を依頼する不動産会社の選定をしたい。
こういったことを考えている方にお勧めです。
私が考える簡易査定(机上査定)のデメリット
・土地戸建ての場合は、簡易査定と現地査定額とで大きく前後する可能性がございます。現地の接道状況、土地の形状、隣地との境界、陽当たり、施工メーカー、その他色々な理由・・・etc。例えば再建築不可と分かった場合には通常4,000万円の査定額が2,500万円位になる可能性もあるなど、かなり大きな違いです。
・マンションの場合も眺望や陽当たり、部屋位置によって査定額が変わります。一戸建てに比べるとブレは少ないです。
・戸建てマンション共通のものでは、特に室内状況(部屋の使用状況や手直しの必要箇所、リフォーム履歴など)で査定額が前後します。築年数が古くなればなるほど室内状況による査定額のブレは大きくなります。
簡易査定はどうしても「多少ざっくりとした査定額」であるので現地査定後に査定額が変わる可能性があることをしっかり把握しておくことが重要!
こんなこともあります。
「室内は5年前にフルリフォーム」という情報で査定したとしても、リフォームのグレードはピンキリです。価格重視で総額600万円以内のリフォームかもしれませんし、著名な建築家に依頼して総額2,000万円相当の凄いリフォームかもしれません。
どうしても情報・データだけでの査定は限度がありますので、正確な査定額算出には後述する「現地査定」をお勧めいたします。
現地査定(訪問査定)とは
不動産営業マンが現地を訪問。外観や近隣、室内を拝見させていただき査定を行います。簡易査定と比較するとより高い精度の査定額が算出できます。
私が考える現地査定(訪問査定)のメリット
簡易査定で挙げたような変動要因(実際に見てみないと分からない)をほぼ無くすことができるので、正確な売却査定額を把握できます。
・現実的にいくらで売れるか知っておき、買い替えの資金計画を立てたい。
・売却することはほぼ決まっており、いくらで売り出したら良いかも合わせて提案して欲しい。
・査定と合わせて、売却の流れや売却の注意点も合わせて事前に教えて欲しい。
こういったことを考えている方にお勧めです。
私が考える現地査定(訪問査定)のデメリット
・訪問査定は、実際に室内を見るために各不動産会社との間で日程調整を行うことが必要です。1日でまとめられれば良いですが、場合によっては数日に分けて訪問査定を実施することが必要です。
・訪問査定の所要時間は1~2時間が目安です。何社か依頼される場合には1日でまとめても半日ほど訪問査定にご対応いただくことになります。
ある程度売却を視野に入れて動いている方には簡易査定よりも現地査定がおすすめ!
不動産査定についての”心構え” 2つ
最後に、不動産査定について売主の心構えとして2つご説明させていただきます。
・懸念事項がある場合は、”一番最初”に言っていただいた方が良いです。
・不動産会社からの質問は、”できるだけ正直に”お答え頂ければ幸いです。
「ここの設備が調子悪いんだけど・・・言ったら査定額が下がっちゃうかな」「ウチは関係なかったけど、去年3軒隣の家でボヤ騒ぎがあったのよね」「北側の部屋は湿気が溜まりやすいのかすぐにカビが出ちゃう」「あんまり言いたくないんだけど・・・上階に住んでる方がちょっと変わってる方かも」
大なり小なりあるとは思いますが、気になることは現地査定時に全てお伝えいただくと◎です。
事前に予防策が打てる、対策が行えるものもありますので、出来るだけ金額に影響が出ないよう不動産会社が一緒に解決策を考えます。
不動産査定額はあくまで不動産会社のアドバイス。いくらで売却募集を始めたいか決定するのは売主。
査定についてご説明させていただきましたが、不動産査定額についてはあくまで不動産会社からのアドバイスとお考え下さい。実際に売却をスタートするときの販売開始価格を決定するのは売主ご自身です。「出来るだけ高く売りたいけど、どのぐらいまで高く募集して良いものかな?」といったことも不動産会社にお気軽にご相談下さい。具体的にアドバイスいただける筈です。
いかがでしたでしょうか。
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