気になる不動産業界への新型コロナウイルスの影響。不動産は売れなくなる？売主様からよくある質問に回答

2月17日に内閣府が発表した2019年10～12月期の国内総生産（GDP）速報値では、日本の経済成長は予想を超えるマイナス成長となりました。

ここにきて、コロナウイルスの経済打撃も加わる中、今後どうなるのか？

※私が普段行っている業務は、主に東京都内の中古不動産の売買仲介です。（ご購入・ご売却のお手伝い）仲介業の現場目線でのコメントも交えつつ解説させていただきます。

１．知っておきたい知識。不動産の価格と日経平均株価の相関関係

日経平均株価と不動産価格は非常に似た値動きを見せます。

そのため、景気の変化を受けやすい業界です。不動産業界・不動産価格への影響が出る可能性は極めて高いです。東京商工リサーチのアンケートによると、２月半ばの時点で新型コロナウイルスの影響について「現時点ですでに影響が出ている」（22.7%）「現時点で影響は出ていないが、今後影響が出る可能性がある」（43.7%）と約６割の企業が影響があると考えていましたが、今後更に増える可能性もあります。※2020年2月20日公開 東京商工リサーチ「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査 記事より引用

２．居住用の不動産への影響について

私が担当しているエリアでは今年１月が昨年の繁忙期ほどの盛り上がりを見せなかった半面、２月は大幅に成約数が増えている地域が多かったです。今のところ目に見えての影響はありませんが、３月以降多少なりとも影響が出る懸念はあります。体感ですが、ここ１週間ほど内見者数が目減りしております。翌週末もご見学希望のアポイントは入っておりますが、昨年の繁忙期ほどの賑わいは少ないですね。その代わり、インターネットからのお問合せ件数はかなり増えております。今は不要な外出を控え情報収集に徹している傾向かと思われます。

３．リフォーム資材に大きく影響が出ている

これは、本当に気を付けた方が良いです。
中国からの輸入が滞っており、住宅設備メーカー（キッチン等）の供給がほぼストップしております。そのため、新築工事やリフォーム工事に大きく影響が出ております。もし、これからリフォームを考えている方は、工期とお引っ越しスケジュール要注意です。私のお客様も、あわや引っ越し間に合うか間に合わないか、というところでしたがギリギリ間に合いました…。

４．インバウンド需要の影響について

外国人観光客を中心としたインバウンド需要が失速しております。１でお話した株価・地価への影響もまず間違いなく出るでしょう。オリンピック開催が頼みの綱でありますが、果たしてどうなるか。

５．今は「買うべき」局面？　「売るべき」局面？

見通しとしては、やはり「今後の不動産価格は下落の局面を迎える」可能性が非常に高いです。どちらかというと、今は売主様にとっては売るべき局面ですので売却を検討している不動産オーナー様は早めに動かれた方が吉です。不動産価格は需要と供給で成り立っております。どんな不動産でも買い手の価格と売り手の価格がマッチングすることで売れますので「売れない」ということはまずありませんが、その価格がいくらになるかは、売り出すタイミング次第でもあります。余談ですが、２月中はすでにほかの不動産会社さんで売却募集している売主様からの相談・お問合せが非常に多かったです。市場での「売れる価格のライン」が少しずつ変化しているのかもしれませんね。

以上、高橋でした。

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